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No.1 2000年8月7日号
市場価値測定研究所
藤田 聰
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小田和正(おださん)と矢沢永吉(エーチャン)に見るトップランナーの要件
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先月26日、東京国際フォーラムで開催された小田和正のコンサートにいった。
先日の日経夕刊にも取り上げられていたが、かなり出来が良かったらしく絶賛さ
れていた。アンコール6曲、計20曲以上、2時間半以上の長丁場だった。正直
いって、小生もびっくりした。十分堪能させていただいた次第である。オフコー
スがデビューした頃のアルバム「ワインの匂い」等、1970年代後半はよく耳
にしたが。このところはさっぱり。ドラマの主題歌で使われるヒット曲を町中で
耳にする程度といったところである。今回は、相棒に連れられていった恰好だ。
会場に着くと、客層が小生とは違う。見るからに真面目そう。“この男性は東
工大卒のエンジニアか、この女性は津田塾卒で学校の先生なのか”と、いつもな
がら、わけのわからないことを考えていた。
ところで、昨年の9月にも、小田氏と同世代アーティストのコンサートにいっ
た。矢沢永吉(エーチャン)のバースディコンサートである。こちらも3時間以
上の長丁場で、終始観客はノリノリだった。普段は普通のおじさんと思われる人
も、“この場は俺に任せろ”的に仕切っていた。リーゼントバリバリで、白のスー
ツと赤いYAZAWAタオルという服装の方が多数出現するのである。普段は強気一点
張りのエーチャンも、コンサートの終盤、「I love you ,ok?」の時に感涙に噎ん
でいた。色々なことがよぎったのだろうか。印象深い光景であった。
両氏とも50歳を過ぎている。小田氏53歳、矢沢氏50歳。二人ともカリス
マである。熱狂的な信者を持っている。
矢沢氏は伝説のロックバンド“キャロル”から独立。小田氏はフォークグルー
プ“オフコース”から独立。二人とも20代からのトップランナーといえよう。
4半世紀以上もトップを駆け続けることができるのは何故か?を考えてみた。
二人とも、まずは“歌い手”である。両氏ともに抜群に歌が上手い。コンサー
トの中で実感した。また、それを最大限に演出した構成になっている。二人とも、
映画やドラマという世界で、監督や俳優という役割を演じている。プロとして、
客の立場でどうすれば感動を引き出すかということを常にプロとして考えている
のだろう。更に、声の音色に独自性がある。他の人では真似られない音質−スタ
イル−といえよう。
最後に、50歳を過ぎて第一線で走り続けるだけの強靭な体力を持っている 。
歌い手である以上、声の調子や健康維持管理も徹底しているのだろう。体も見れ
ばわかる。海外アーティストでも、ミックジャガー、ロッドスチュワート然りで
ある。鍛え方が全然違うのだろう。腹が出ていないのだ。書いていて落ち込んで
きたので、今回はこれまでとさせていただく。以下、纏めてみた。読者のみなさ
まがトップランナーになるために。
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□ トップランナーの5要件
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1. 技量が卓越していること(好きなことを見い出し、更に努力を怠らない)
2. 客 (マーケット)を理解していること(顧客指向である)
3. 常に技術革新(イノベーション)をしていること(陳腐化させない)
4. 独自のスタイルをもっていること(オンリーワンである)
5. 強靭な肉体を持っていること(体を鍛えている)
以上。
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