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No.2 2000年8月21日号
市場価値測定研究所
藤田 聰
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静と動のシンボリックリーダー−馬場と猪木
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前号(2000.8.7)では、小田和正と矢沢永吉という音楽界のカリスマを取り上
げ、トップランナーの要件を纏めた。小田和正と矢沢永吉は対照的なリーダーで
ある。"静"の象徴として小田さん、"動"の象徴としてエーチャンといえよう。静
と動という対比から、筆者が直ぐに想起した方は?−馬場と猪木である。
以下、今回はプロレスファンの読者を対象に書かせていただく。お許しをいた
だきたい。筆者は音楽のみならず、プロレスも好きだ。好きだったという方が正
確であろう。"東スポ"(スポーツ新聞の1紙。俗っぽいスキャンダル記事に関す
る攻撃的な文章表現は賞賛に値する。)の連載でも、"馬場と猪木"をテーマにし
ている。筆者が最もテレビ観戦していた時期は、1970年代で全日と新日とに
分かれる前の頃である。ジャイアント馬場、アントニオ猪木、坂口征二、大木金
太郎、吉村道明、。。。外人勢として、足4の字固めのザ・デストロイヤー、吸
血鬼フレッドブラッシー、鉄の爪フリッツフォンエリック等々。。。
この前、近所の飲み屋で、店のオーナーを含め、常連のお客さんとプロレス談
義で盛り上がった。どのレスラーが至上最強といえるのか?プロレスの決め技の
変遷と技術革新(イノベーション)という真面目なテーマから、いったい何故、
馬場の16文キックは避けられないか、あたかも"蹴って下さい"というように見
えたのは暗黙の了解なのか?インターバルの際、リングの上を掃除する掃除機"風
神"(三菱電機)のコマーシャルは一体なんだったのか?ジョニーパワーズの足8
の字固めは4の字と同じではないか?等々、途中からどうでもいいことに終始し
た。
その中で、決め技の変遷について考えてみたい。1970年代の決め技として、
ボストンクラブ(逆エビ固め)、パイルドライバー(脳天逆落し)、バックドロッ
プ(岩石落し)、16文キック(馬場)、コブラツイスト(猪木)というところ
だろう。当時としては、あまり見られない絶品として、ジャーマンスープレック
スホールド、32文ロケット砲(馬場のドロップキック)、卍固め(猪木)等で
ある。あんな技で当時絶叫していた姿を今考えて見ると恥ずかしい限りである。
さて、現在はどうか?上記の決め技はプロレス技の技術革新(イノベーション)
により、全く価値が下がってしまった。今では、もはや、つなぎ技であり、決め
技ではない。決め技として、唯一残っているものは、新日・武藤敬司が使う足4
の字固め位であろう。その意味で、持ち前の運動神経と派手なパフォーマンスで
新日の顔である武藤が、古典的な4の字を採用するアンバランス性は面白いとい
える。
全日の顔であった三沢光晴も最近理想のプロレスを求め、"NOAH"を旗揚げ
した。あれから四半世紀が過ぎ、細胞分裂を繰り返し、団体乱立の時代といえよ
う。プロレス以外にも、K−1等様々の格闘技が生まれてきた。今後は淘汰の時
代を迎えるだろうが、格闘技の勢力図がどうなるのか興味深いものである。
今回は「市場価値を高めるヒント」というマガジン名から程遠い内容になって
しまった。一言だけいえば、馬場と猪木−リーダースタイルは全く異なる。両名
は20代の若い頃、武者修業でアメリカ等の各地を転戦した。本気で生きること
を体得する上で掛け替えのない体験といえるだろう。かく言う筆者も20代の前
半にアメリカで生活していた。今考えると、自立する上で貴重な体験であったと
感じる。読者のご子息・ご令嬢に、20代前半の多感な時期に一人で海外で生活
することをお奨めしたい。目的を持ち、きちんとした生活を送れば、間違えなく
市場価値が高まるであろう。自分の意志で能動的に留学等で長期海外経験をした
方でビジネスプロフェッショナルとして活躍している方が統計的に極めて高いこ
とは特筆に値する。
以上。
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