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No.5 2000年10月2日号
シドニーオリンピック随想

━━ Management Today = 市場価値を高めるヒント = ━━━━━━━━━━
                                                    No.5 2000年10月2日号
                                                      市場価値測定研究所
                                                                藤田 聰
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                        シドニーオリンピック随想
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 シドニーオリンピックも残すところあと僅かとなった。今日は9月30日であ
る。4年に1度の祭典−今回もオリンピック特集としよう。開幕早々、金2つ、
銀1つということで最高のスタートはしたものの、最終的には金5つということ
でやや低調に終わろうとしている。あとは、男子マラソンと女子1万メートル位
か。現在まで、柔道が4つ、女子マラソンが1つである。但し、金6つという説
もある。期間中に、爆笑問題の田中(小さい方)は本当に金を取ってしまったの
だ。放っておくと、サッカーボール大に肥大化する原因不明の病ということだが、
これ(睾丸摘出)をネタにする芸人魂に敬服した次第である。

 余談はさておき、小生は金8つと前号で予言はしたものの、見事に外れてしま
った。直感とはいえ、研究所代表という立場である以上、市場調査分析能力の欠
如を痛感するとともに猛省している。まずは読者のみなさまにお詫びを申し上げ
る次第である。

 金を獲得した選手は以下の5名である。田村(女子柔道)、野村、瀧本、井上
(男子柔道)、高橋(女子マラソン)。その他、銀や銅メダリストは圧倒的に女
子が多かった。100メートル背泳ぎの中村、400メートル自由形の田島、女
子柔道、ソフトボール、シンクロナイズスイミング等々である。これまでの男性
主導型日本社会の閉塞感を裏付ける結果といえようか。

 男子柔道の篠原選手の態度は超越していた。"最も金メダルに近い男"といわれ
たが、結果は銀メダルに終わった。どう見ても、返し技1本−金メダルであるが、
主審は逆に加点してしまった。"世紀の誤審"である。投げをうった後のお互いの
表情を見れば、一目瞭然である。それよりも特筆できるのは、篠原の潔い態度で
ある。"弱いから負けたんだ"という言葉。あの無敵の金メダリスト山下監督が猛
抗議をしていたが、篠原の毅然とした態度を見るに付け、柔道家として、金メダ
ル以上の価値があると思った次第である。

 男子サッカーと野球は惜しかった。サッカーは決勝リーグまでいったのだから、
及第点といえよう。しかしながら、カルメーン、スペイン、チリというメダルを
取ったチームに比べ、やはりまだ力不足といえるだろう。2002年のワールド
カップ、2004年のアテネオリンピックに期待したい。

 野球はプロ・アマ合同で臨んだが、結果は4位だった。新しい取り組みで、プ
ロを揃えたチームと比較すればハンディーキャップはあるだろう。今回のように、
プロアマ融合を保ちつつ、新しい組織論で次回は金を取って欲しい。中村等、プ
ロ野球選手の悔し涙が印象的だった。プロとしての責任感がそうさせたのだろう。

 筆者も、野球、サッカー、ラグビーの集団球技をしてきたが、経験上、嬉しい
時よりも、悔しい時涙が出るものである。目標にしてきた大試合で負けた時など。
田村選手の涙を見たときは、凄いと思った。嬉しくて飛び跳ねて涙を流す−完璧
に未体験の領域である。

 最後に、女子マラソンの高橋選手は強かった。小出監督はあれだけの努力をし
たのだから、"陸上の神様が見ていてくれたのだろう"といっていた。彼女の場合、
世界一努力をした結果、世界一になれたのではないかという印象を受ける。金メ
ダルを取った翌日、朝早く目覚めて、一人でランニングしたというインタビュー
を聞くに付け、なるほど、だからこそ金メダルを取ったんだと思う。彼女の最高
の笑顔、次は世界最高記録を破った時に見たいものである。

 尚、次号は筆者がヨーロッパ方面へ出張のため、通常より1週間遅らせて、第
4月曜日23日発行とさせていただく。ご了承願いたい。


                                                                    了。

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