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No.12 2001年1月15日号
第3のタイプ

━━ Management Today = 市場価値を高めるヒント = ━━━━━━━━━━
                                                  No.12 2001年1月15日号
                                                      市場価値測定研究所
                                                                藤田 聰
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                              第3のタイプ
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 先週は東京都心部で久方ぶりに雪が舞い降りました。読者のみなさんも風邪に
は十分ご留意下さい。今年の風邪はかなり悪性とのことです。

 さて、このところ人材ビジネスに携わる方々とお話をする機会が増えておりま
す。その中のテーマとして、いつの時代でも、経営者や人事部が頭を悩ましてい
る、人材の採用に関することについて記したいと思います。

 企業が望む人材ですが、これまでは、大きく2つのタイプに集約されるでしょ
う。
 第1のタイプは業界や業務について深い知識を持ち、入社したいという熱意が
感じられる人でした。
 第2のタイプは人間性重視の視点で、一緒に仕事をしたいなと感じられるタイ
プ、特に、その会社の中で違和感を感じさせない無難なタイプでした。
 しかしながら、21世紀を迎え、政治・経済・社会の色々なシステムで構造的
な改革が必要な今日においては、第3のタイプが出現しました。
 何事にも当事者意識を持ち、自立した付加価値創造型のタイプです。現状に満
足せず、“今の自分は幻である”位の気概を持った方です。卓越した専門性を持
ち、機を見て、言うべきことは言うタイプです。例えば、面接で、“将来は起業
独立しますので、5年間修行させて下さい。その目標の実現のためには御社で働
くことがベストなのです。死ぬ気でやりますから、是非とも採用下さい。”など
という学生は逆に頼もしく感じられ、採用されるようになりました。筆者自身も
就職活動において、今考えると、(当時としては)ゾッとするような極めて我が
儘なことを某社の面接で述べましたが、生意気な奴という印象を持たれ、最後の
最後で秒殺された記憶があります。時代が変わり、求められる人材像が変わった
ということに過ぎません。

 時代はまさに変革期。明確な理念、ビジョンを持つリーダーが尊ばれる時代な
のでしょう。石原さん、田中さん−長野県知事や真紀子さん−等々、成長期、安
定期では考えられないような方々が脚光を浴びているのです。

 ところで、日本はこのところ株価も下がり続け、一向に長いトンネルから抜け
出しそうで抜け出せません。5年程前、或る有識者の方が、「日本がこのような
閉塞感から抜け出すのは(日本人の特性から見て)世の中がひっくり返る位の天
変地異等の外圧しかないのではないか」と言った言葉を思い出します。あの敗戦
後のような破滅的な状況までいかないと再生が難しいという説は、今日の状況を
見て、妙に説得力があります。先日報道された成人を迎える(ごく一部と思いた
いのですが)若者の態度等、行き着くところまできた感があります。外国人の方
々から見ても、平和ボケして、あまりにも幼稚な光景に映ったでしょう。少々、
熱くなってしまいました。(笑)

 さて、話を戻しましょう。第3のタイプが今、企業のみならず、社会が求めて
いるといえそうです。当事者意識を持っていますか。企業人としてのみならず、
地域住民として、日本人として、地球人として。専門性を持ち、技術的に自立し
ていますか。自身の理念や価値観やスタイルは明確になっていますか。在りたい
姿や方向性を明確にイメージできていますか。協創の精神を持ち、対等な相互関
係で人と接することができますか。

 日本(という組織)を変えるためには、まず、日本を構成する一人一人(組織
成員)が変わることが必要です。“意識”が変わり、“行動”が変わり、“習慣”
が変わり、“人格”が変わり、結果として、“運命”が変わるということです。

以下のチェックリストを見て、第3のタイプかどうかを確認して下さい。


第3のタイプ−チェックリスト

                                                     *全て○で合格です。

1.何事にも当事者意識を持っていますか?
2.卓越した専門性を持ち、技術的に自立していますか?
3.自身の理念や価値観やスタイルは明確になっていますか?
4.在りたい姿や方向性を明確にイメージできてますか?
5.協創の精神を持ち、対等な関係で人と接することができますか?



                                                                      了

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