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No.31 2001年11月5日号 |
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情報格差は経済格差を生む |
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━━ Management Today = 市場価値を高めるヒント = ━━━━━━━━━━
No.31 2001年11月5日号
市場価値測定研究所
藤田 聰
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情報格差は経済格差を生む
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今週の火、水の2日間、スポンサーとして『企業の柔軟性と日本型人材マネジ
メント』というシンポジウムに参加しました。
2日間で15のセッションがありました。その中でも、日本アイ・ビー・エム
の人事・組織担当理事のお話は興味深いものでした。筆者はIBM出身なのです
が、以前在籍した時分と比べ、個と組織との関係がかなり変容していることを実
感しました。
情報技術の進化に伴う、コミュニケーション構造の変化を見据えた上で今後の
組織人事を考えなくてはいけないということです。筆者が入社した頃はインター
ネットどころか社内メールもほとんど普及していない時代で、携帯電話然りです。
この頃の情報ルートは基本的に縦割りで制限されており、組織の中の上下関係
でやりとりするのが中心で、他の部門や他社の方から頻繁にアクセスすることは
ありませんでした。上司と部下の関係という縦1本という構造です。
ところが、Eメールの普及でコミュニケーション構造が大幅に変わったのです。
何らかの課題解決に対し、メーリングリストや掲示板等々、個人以外に色々な方
にメールで投げ掛けることが出来るようになりました。その場合、レスポンス内
容やスピードでその価値が決定します。このような行動を重ねていくと、色々な
部門や部門をも越えた関係他社で専門家やキーマンネットワークが形成されます。
案件毎に、誰に聞けば解決出来るか”ということがだんだんとわかってくるの
です。情報の流れというのが徐々に決定され、情報が集まる方へはより集まり、
逆もまた然りという新しい構造となります。
これは価格決定のメカニズムである需要と供給の関係とも合致します。つまり、
情報格差は経済格差を生むということです。ネットワーク社会を勝ち抜くために
は忘れてはならないことです。
個人はそれぞれナレッジを持っています。そのナレッジをうまく使いこなすこ
とがナレッジマネジメントです。よって、これからは個々人が様々なジャンルで
インデックスを持つことが必要です。“打てば響く”関係性を数多く、バランス
良く構築するかが重要です。確かにインデックスとして、サーチエンジン等検索
システムを使うのも有効ですが、それ以上に、個から発するアナログ情報情報
(=知恵)こそが最も価値あるものと認識すべきでしょう。
データが情報に、情報が知識に、知識が知恵に、というフローの中で、知識を
知恵に変換する仕組みを持つことが重要なのです。筆者に取りましても、ナレッ
ジマネジメントは今後重要な研究テーマのひとつと言えます。
了。
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