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                                                   No.42 2002年4月15日号
                                                      市場価値測定研究所
                                                                藤田　聰
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                     プロフェッショナルリーダー考
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　ペナントレースが始まり、プロ野球のシーズンとなりました。１０試合を消化
した時点で、星野阪神が９勝１敗、貯金８と快進撃が続いております。オープン
戦でもダントツ１位の勝率でした。

　セリーグの阪神タイガース、パリーグの千葉ロッテというと、ここ数年間、開
幕当初は非常に調子がいいのですが、夏が過ぎ、終盤には最下位というイメージ
が筆者の中にはあります。阪神タイガースが優勝したのは１９８５年−筆者は当
時アメリカに留学しておりましたのでその当時の熱狂ぶりはわからないのですが
−掛布、バース、岡田という歴史に残るクリンナップで日本一となったとのこと。
“守り”というよりも“攻め”で制したという印象ですね。

　あれから１７年が過ぎ、今年は例の一件で、野村さんから星野さんへとバトン
タッチされたのでした。今までの快進撃は当分続くと考えられます。野球はまず
点を取られないことが要諦です。その点から考えますと、先発投手がきちんと抑
えておりますので、ローテーションがきちんと守られ、この調子はしばらくは続
くでしょう。

　強いチームというのは、どんなに負けていても逆転するのではという期待感が
あるものです。今の阪神はまさにそのものでしょう。テレビの画像を見ると円陣
を組む光景が幾度となく見られます。高校野球さながらといえます。

　リーダーが変われば組織が変わるということの典型です。何よりも勝つことに
貪欲になり、一人一人が何をやればいいのかということが徹底されているようで
す。星野監督が求心力となり、考え方やビジョンを示し、一人一人と徹底的にコ
ミュニケーションを図るという、所謂、現場主義を貫く、非常にわかりやすいリー
ダー像といえるでしょう。日産自動車のゴーン氏を彷彿させます。

　筆者は東京出身ということもあり、読売ジャイアンツのファンですが、このと
ころ調子を上げてきました。原監督の手腕が最終的に問われるでしょう。筆者は
野球、サッカー、ラグビーをやってきましたが、経験上、集団競技の場合、監督
やコーチ、つまりリーダー（指揮官）の力量が成績に反映されます。今年の巨人
は投手力の観点では、昨年の戦犯といえる上原や工藤は期するものがあるでしょ
う。その他の投手も比較的安定していますので、総合的には一番優勝に近いと言
えます。

　平均年俸を考えても、チームの市場価値は巨人がダントツといえます。ここが
組織の面白いところですね。一人一人の資源をいかにうまく活用出来るかは監督
の手腕です。また、優勝という目的にベクトルを合わせ、一人一人のモチベーショ
ンを上げることも重要です。そういった意味では、今までのチームの変貌ぶりを
見るにつけ、星野監督は間違えなくエクセレントリーダーといえるでしょう。１
年目の原監督に関しては、ペナントが終わった時点で、エクセレントリーダーと
称されることを、優勝という文字と一緒に期待したいものです。プロフェッショ
ナルの世界は成果主義の世界であり、筆者は巨人ファンですので。

　全くの蛇足ですが、筆者の大先輩である長島前監督は大学時代、英語の授業で
“長島読め！と言われたことは度々あるが、長島訳せ！といわれたことは一度も
なかった”との事です。（ご本人談。合掌。）


                                                                      了


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以上、ご案内でした。

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