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No.51 2002年9月2日号
市場価値測定研究所
藤田 聰
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ストレス進化論
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“ストレス”をマネジメントすること、つまり、上手く付き合うことはこれか
らのビジネスパーソンにとって、重要な課題です。このところ、注目を浴びてい
るようで、先日もTVでストレスマネジメントの特集コーナーを拝聴いたしまし
た。
英国では、人員のスリム化が盛んに行われた結果、資本生産性は上がったもの
の、ひとりひとりにその付けが回り、精神的・肉体的に障害が出ている人も増え
てきているとのことです。
日本でも、昨今のリストラで、会社に残った人も出た人と同様、ストレスがか
なりかかっていることと存じます。
“ストレスは人生のスパイスである。”という名言を発したのはストレス学の
祖と言われる故ハンス・セリエ博士です。つまり、永谷園のフリカケのように、
適度に掛ければ美味しくなりますし、掛けすぎると不味くなります。適度なスト
レスこそが重要であるといえます。
ストレスは刺激、圧力のことで、人間関係においては、異質との交わりこそが
進化ということにおいて重要です。そもそも、組織の目的とはシナジー効果にあ
ります。1+1が2より大きくなければ、組織そのものの意味がありません。
Aと言う方とコピー人間であるA’と言う人間がチームを組んだ場合、1+1
=2で、量的には2倍になりますが、質的には変化はありません。つまり、同じ
ような思考行動パターンといえる同質的な組み合わせではなく、異質との組み合
わせの中で始めて質的な変化が生まれるのです。ここが組織を組む際の要諦なの
です。
また、時間軸も重要で、戦略タスクチームを組む場合、ある一定期間内で最大
の成果を出すことが使命ですので、メンバー編成もそれぞれの分野で最も専門ス
キルがあり、直ぐにお互いがわかり合える同質的な組み合わせがポイントです。
但し、タスクチームのように、解散が前提の組織であれば有効ですが、ゴーイ
ングコンサーンの(=継続的な)比較的大きな組織であれば、補完的な関係が組
織設計上、有効であると言われています。
個として考えた場合、適度なストレス環境に身を置く事が進化への近道です。
競争力のある人材は間違えなく或る一定期間そのような環境に身を置いています。
人材輩出企業と言われる、IBM、リクルート、野村證券等、営業職の方は特に
目標設定値が高く(=ストレス状態)、厳しい世界に身を置いていたからこそ、
起業や転職されても、活躍されているのでしょう。
ストレスとは、ズレやギャップのことであると解釈出来ます。理想と現実との
ギャップを感じ、蓄積されるとストレス状態になります。その場合、他の選択肢
である転職や起業を考える訳です。
この辺のストレスのメカニズムを十分理解されて、果たして転職することが
最適な選択肢であるかどうか、十分検証していただく必要があるでしょう。
了
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