━━ Management Today = 市場価値を高めるヒント = ━━━━━━━━━━
No.63 2003年3月3日号
市場価値測定研究所
藤田 聰
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
---------------------------------------------------------------------
ハイパフォーマーに共通するもの
---------------------------------------------------------------------
人事の世界では、ここ数年、"コンピタンシー"という言葉が良く聞かれます。
これは"思考や行動上の特性"を意味します。このところ、企業内のハイパフォー
マー(高業績者)に面接をして、共通の要件をモデル化し、評価、採用、教育に
生かしていくアプローチ手法が増えてきております。
今回は、いくつかの当該プロジェクトの経験を基に、出来るビジネスマンの共
通項を掲げて見たいと思います。
現在、ベストセラーの「朝10時までに仕事は片づける−モーニング・マネジ
メントのすすめ」(高井伸夫著)でも指摘されているように、第1の行動特性と
して、朝が早いことが挙げられます。例えば、お酒の飲み方ひとつとっても、自
己管理が徹底され、うまく理由を付けて早上がりされる方が多いものです。次の
日に支障をきたすような深酒をしたり、お酒の席で愚痴をこぼすようなことはし
ません。特に多弁ではないですが、存在感があり、楽しく飲まれていることが特
徴的です。
次に、比較的若いビジネスマンに多いのですが、普通の人に比べ、技能的自立
度が高いのも特徴といえるでしょう。人間性というよりも、専門性で組織をリー
ドしていくタイプです。プロスポーツの世界では、サッカーの中田選手や野球の
イチロー選手のようなイメージです。クールで状況判断能力の高いタイプです。
過日、ある企業で実施したインタビュー結果によると、人生のある時点で特異
な経験を持っていることも共通項でした。例えば、学生時代に長期留学をし、日
本人と戯れることなく、新しい価値観の下で、思考錯誤を繰り返した経験を持つ
人に比較的高業績者が多いのも特徴的でした。
よく、"大病、落第、倒産、離婚"等、自分の意思ではどうにもならないことに
直面された方がその際にきちんと真剣に対処すれば、人間として大きくなるとい
いますね。留学は異文化体験ですが、本質的には同じようなことかも知れません。
自身の価値観や理念を持ち、それらに基づきビジョン(在りたい姿)を掲げ、
目標を達成すべく戦略(行動計画及び実行)をもっている人は評価が高く、情報
感度がよいといえましょう。仕事に対する取り組み姿勢−プロ意識−をしっかり
持っておられます。常に迅速さや正確さを念頭に置かれて、業務を遂行する習慣
を持っています。
人生や仕事における目指すべきシンボルとしての師匠を持っている方はその出
会いが契機となり、その後素晴らしい人生が送れたというケースがあります。こ
のような経験を持たれた方に高業績者が多いのも特徴といえるでしょう。
了。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
|