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                                                    No.69 2003年6月2日号
                                                      市場価値測定研究所
                                                                藤田　聰
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                    ネットワーク社会とリーダーシップ
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  あっという間に６月になりました。時の経つのが本当に早く感じられます。中
々上向かない日本経済。もう国に委ねるのは止めて、一人一人が一念発起され、
アクションを起こすことが必要ではないでしょうか？”天変地異等の破滅的なダ
メージを受けることがない限り、この国には、もはや可能性はない”と言い切る、
或る有識者の言葉が印象的です。

　さて、筆者は企業研修の仕事も引き受けますが、このところ、キャリアデザイ
ン系のものが多いですね。個と会社の関係が帰属（就社）から契約（就職）に変
わり、特に、粘土層と言われる４０代以上の方の意識を変えることが大きなテー
マになっています。

　右肩上がりの時代、誰でもが定年まで当たり前のように帰属出来ると考えられ
てきた価値観は既に崩壊しつつあり、個々の自律性がこれからのネットワーク組
織において求められます。主体的に考え、行動していくという当たり前のことが、
指示を的確にこなしていくという従属的な考えに支配されてきた結果、難しくな
ってしまいました。

　これからは個々の自立−取り分け、技能的自立が必要です。専門分野において、
卓越したレベルの技能がないとお声が掛からず、顔の見えるビジネスパーソンに
成り得ません。まずは、”一芸に秀でる”ことが前提です。

　次に、情報を発信していくことが重要です。発信しなければ、受信出来ないと
考えるようにしましょう。会社以外でも、自らホームページで情報を発信したり、
メールマガジンを発行するなり、手段はいくらでもあります。価値のある情報を
発信すれば、ファンが増え、数万人の読者がいる方もいます。副広告収入だけで、
月５０万円以上を稼ぐ人もいます。

　個々が自立して手を組むのが、ネットワークの本質です。もう一つ、重要なこ
とは、人間的魅力です。やはり、組織である以上、人と人との関係が重要である
ことは変わりません。この人と仕事がしたいと思わせるには、先程の職人芸と呼
ばれる位の卓越性か、その人の人間的魅力の為せる業でしょう。

　リーダーシップには、前者の技能指向、後者の人間指向の２タイプあるでしょ
う。サッカーで例えるならば、前者の代表として、常に冷静な司令塔の中田選手、
後者の代表として、燃えるストライカー中山選手でしょう。リーダーシップとは
突き詰めて考えると、その人から発露するコミュニケーションであると考えます。

　どういうタイプであれ、リーダーに共通するものは進んで仕える人がいるとい
う事実です。技でリードするか、心でリードするか、出来れば、双方兼ね備えた
”心技体”の揃ったタイプを皆さんの未来像としてイメージすべきでしょう。や
はり、国民的ヒーローと言われる長嶋茂雄さんはその象徴的人物なのでしょう。

　                                                                  　了。

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