━━ Management Today = 市場価値を高めるヒント = ━━━━━━━━━━
No.74 2003年8月18日号
市場価値測定研究所
藤田 聰
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おでん屋というコミュニティー
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先日、最寄駅の屋台のおでん屋に入りました。屋台のおでん屋はサラリーマン
や自営の方、あちらの方が狭い空間で同居する珍しい空間です。形態がほとんど
変わっていなくて、普通では陳腐化するところが、いつでも賑わっていることは
不思議な感がします。
たまたま暖簾をくぐると、やくざの親分と舎弟、アネさん等が座っていました。
良く任侠映画で見る光景そのものでした。組長は腰が据わっているように見えま
す。やはり、自分の取った行動に責任を取るという意味で、指を詰められるので
しょう。リスクを取る行動と評価がわかり易い構造になっていると感じました。
こちらの席では、地方から出張で来たという30代のサラリーマンや地元の方
がおりました。サラリーマンの方は少々酔っ払い気味で、会社の上司の批判をさ
れていました。酒の席で会社の批判や上司批判をする方は行動特性として、あま
り市場価値の高い人とは言えません。
端の席には、大学院生が1人で座っていました。会社の面接試験に関西から来
られたとのことでした。翌日に採用面接を控え、ややナーバスになっていたよう
です。理系の学生さんで、あまりコミュニケーション能力が高くないようです。
屋台の親父さんは、さかんに励ましていました。
びっくりしたのは、女性客も多いことです。かつてのイメージは男性社会でし
た。女性も多く、仕事帰りの同僚、先輩後輩、カップルもいます。日本も徐々に
女性の方が元気で、男性も女性も同性化していますね。平成は女時(めどき)と
言われますが、おやじ系の場所を好む女性も確かに増えました。
おでん屋に戻りましょう。あのような小さなコミュニティーの中に、色々なジ
ャンルの人が集うのはありません。異業種交流会もいいですが、機会があれば、
新しいジャンルの人と出会う場所として、暖簾をくぐることをお薦めいたします。
人脈を形成するのは色々な出会いからです。”ひとつひとつ”の出会いを大切
にされる方は市場価値の高い人の共通項です。例えば、初めてお会いした方にお
礼のメールや葉書を出すのも翌日朝に、当たり前のように出していますね。筆者
はこのところ、忙しさを理由に出していないケースが多いようです。この夏を境
に、きちんと出すようにリセットしようと考えています。
ようやく夏本番というところです。昨日も東京は35度を越えました。読者の
皆さん、どうぞご自愛下さい。(筆者は昨日朝、テニスをしていて、ギックリ腰
になってしまいました。恥ずかしい限りです。)
了。
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