━━ Management Today = 市場価値を高めるヒント = ━━━━━━━━━━
No.76 2003年9月15日号
市場価値測定研究所
藤田 聰
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
------------------------------------------------------------------------
転職をするタイミング
------------------------------------------------------------------------
先程、当社の市場価値測定をされた被験者のフィードバックカウンセリングを
行いました。年齢は30歳位の男性で、仕事の内容や上司との相性から、転職を
考えられていました。物流運送機器の国内営業をやってこられ、ご本人は海外営
業を希望されてしましたが、縦割り組織故に、転属は極めて難しいとの判断であ
りました。
ご本人に、“具体的に、何をしたいか、何が出来るか”という質問を投げかけ
ると、答えに窮するのでした。このような時点での転職はあまり勧められません。
職務経歴書を拝見しましたが、書類選考で通らないであろう漠然とした内容であ
りました。
転職するタイミングは確かに存在します。中途半端な状態で転職をしても、転
職先でもうまくいかないものです。今の会社で着々と実績を積まない限り、キャ
リアアップは望めないでしょう。どんな職務を遂行するにせよ、実績であり、貢
献度に尽きます。これがないようでは、成功する転職はあり得ません。
このところの20・30代の方の中には、後ろ向きの転職を容易に考える人が
います。単に、今の状況から抜け出したいということに立脚した転職です。転職
するタイミングを考えてみましょう。
あなたが今、辞表を出したとき、上司がどう反応するかはバロメーターと言え
ます。その際に、“頼むから行ってくれるな。今は絶対に困る”ということであ
れば、合格点。転職をしてもいいタイミングといえます。
逆に、“あっ、そうか。引き継ぎだけはきちんとやれ”と、待っていました!
というような反応であれば、転職をするタイミングではありません。今の会社に
貢献出来ないものが、転職先で貢献出来るかといえば、“NO”なのです。
転職を考える際に、まずは自身のキャリアビジョンを明確にし、10年後の自
分の具体的なイメージを持つことが重要です。そのために、今、どの環境に身を
置き、どんな実績を積むことが将来への布石になるかを客観的な眼で判断する必
要があります。
但し、若い方でどうしてもビジョンが描けない人も少なからず存在します。こ
のような方へのアドバイスは自らが成長出来る環境に身を置くことを薦めていま
す。短期間に成長しようと思えば、大企業よりも発展途上のベンチャーの方が良
いでしょう。現に、我々の市場価値測定結果でも、逆転現象が起こっています。
ぬるま湯では成長は期待出来ません。自ら切り拓く者のみが勝ち残る成長・発展
期のベンチャー企業での経験は価値のあるものといえるでしょう。
了。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
|