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                                                 No.87 2004年3月1日号
                                                      市場価値測定研究所
                                                                藤田　聰
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                      　　　転職考−２００４春
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　いよいよ、３月です。めっきり暖かくなりました。今年は桜の開花が早そうで
すね。今年の東京はまともに雪が見られませんでしたね。さて、今回は転職につ
いて考えてみたいと思います。

　僕はキャリアカウンセリングの仕事をしておりますが、色々な相談をお受けし
ます。転職を想定されている方も多いのですが、“となりの芝生はよく見える”
ようです。転職は、前向きと後ろ向きがあります。

　前向きの転職は、自らのキャリア目標が明確になっており、今の環境が相応し
くない、仕事や人から刺激を受けない環境下にいる、厚遇であるが、仕事が楽で
ある等々、その会社でも相応の評価を得ている方々です。

　後ろ向きの転職は、現在、不満足な状況におり、仕事が面白くない、上司と折
り合いがつかないということから転職を考える方々です。前向きと違うことは、
その場その場という視点での感情的判断であり、長期的な目標やキャリアビジョ
ンを持たないのが特徴的です。

　当然、そのような方には転職をお薦めしません。例え、転職されても“こんな
はずではなかった“と思い、定着しない可能性が高いからです。転職市場では、
”３年一仕事“という言葉があり、それ未満で転職されることはキャリアとして
通常カウントされません。

　確かに、大事は３年というスパンでないと、達成出来ません。正しく、“石の
上にも３年“ということでしょう。安易に転職を考えるのではなく、今の環境を
最大限活用され、成果を出すと言うことの方が遥かに合理的であるということは
肝に銘じましょう。

　転職は環境が変わり、仕事は別にしても、人間関係等、ゼロリセットされる世
界です。キャリアカウンセリングをしていますと、上司との折り合いが悪いとい
う人間関係の原因からストレスを抱え、パフォーマンスが上がらず、もがいてい
る方もいらしますが、少々の我慢は必要です。忍耐力の訓練であると割り切る位
でないと勤まりません。

　転職で最も成功確率が高いのは、直接スカウトされることです。欲しいと思わ
れる位のパフォーマンスを内外に発信出来れば、申し分ないでしょう。そのため
のツールとしては、インターネットを利用し、メールマガジン等を発行し、顔の
見える状態をつくりあげることは、ネットワーク社会の中では今後必要なのです。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　了。

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