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No.93 2004年6月7日号
市場価値測定研究所
藤田 聰
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大学の講義で感じたこと
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今週は大学での講義や企業内研修で、人前で話す時間が長く、風邪は治りかけ
ていたのですが、喉の調子が良くありません。巷では、喉がやられる風邪が流行
っているようです。読者の皆さんもご自愛下さい。
水曜日に、立教大学で講義をしましたが、「仕事と人生」という授業の中で、
「組織と個人」というお話をいたしました。内容はさておき、500名程度の学
生が受講されていましたが、昔に較べて、学生の私語が多いのに、正直驚きまし
た。小・中学校の"学級崩壊"という言葉を想起いたしました。
僕等の世代は、授業に出ているのは授業を聞きたい学生ですので、自ずと静か
に拝聴していました。後ろの方の男子学生が寝ている光景はあった位でしょうか。
今は違うようです。常勤の先生に伺うと、今の学生は女子学生が平気で寝ていた
り、飽きてしまうと、私語を話したりするとのことです。
平成は女時(めどき)と言われますが、女性の男性化というか、兎に角、元気
があるのは女性のようです。インターンシップ等で学生と話す機会は多いのです
が、コミュケーション能力そのものは劣化しているように思います。少子化や核
家族化により、周りとの直接的な交わりが希薄になったことが原因なのでしょう。
メールでコミュニケーションを取るのが当たり前の世代は、面倒くさいことは、
自分の都合のよいように解釈するようです。また、メールを出せば、全て相手に
伝わるという感覚は危険な感じがします。メールのみならず、重要なことは、直
接コミュニケートしないとうまくニュアンスが伝わらないように思います。
また、礼節というものが希薄になったことも感じます。人生の先輩を立てると
か、敬うということは生きる上で重要なことであると思いますが、メール文化に
おいて、あまりにもフラットになってしまい、友達感覚で目上の人を考えている
学生もいます。
そろそろ、ビシッとしないと、全体感として、肉体的にも精神的にも弱くなっ
ている若者を見るにつけ、競争力のない人材を育成する教育システムがこのまま
続けば、相対的に益々国力が落ちていくでしょう。人材教育面から、日本の将来
を危惧するのは僕だけでしょうか?
了。
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