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                                                   No.119 2005年7月4日号
                                                      市場価値測定研究所
                                                                藤田　聰
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                　　コンフェデェレーションカップから
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　早いもので、７月になりました。１年の半分が過ぎたことになります。僕は久
しぶりに風邪をひいてしまいました。このところ寒暖の差が激しいので、皆さん
もご留意下さい。先週末より風邪をひき、市販の薬は飲んでいたものの、スポー
ツクラブで一頻り汗を流した後、急に悪寒がはしり、これはまずいと思いまして
家に帰りました。案の定、３９度近くの熱でした。

　健康の話ですが、健康上、”排出”が非常に重要であることは以前、当コラム
で書いたことかと存じます。僕も１年に１回程度、熱を出すことがありますが、
実は熱を出し、汗を掻いて、体内のコントロールをしているのでしょう。体を浄
化しているような感覚です。よって、熱を出すことも健康な証拠であるとポジテ
ィブに考えております。

　さて、今週はサッカーのコンフェデェレーションカップがありました。日本は
惜しくも予選リーグで敗退しましたが、１勝１敗１分けと善戦しました。特に、
ブラジルとの試合は日本においては節目となる試合内容で、相当の自信を付けた
事でしょう。もう胸を借りるというようなフェーズは終わり、世界の強豪国とも
渡り合えるフェーズに変わりました。とはいうものの、個人技の比較をすれば、
まだかなりの精度の差があることは認めるべきでしょう。

　優勝したブラジルは強かったですね。タレントが揃っていて、層も厚く、来年
のワールドカップの優勝候補最右翼といえそうです。強豪アルゼンチンを４−１
で破ったのですから、大変な底力ですね。日本は２−２のドローですから大した
ものです。日本は戦い方を考え、戦術的にうまく組み立てれば、今回のような試
合が出来ることを来年のワールドカップで改めて証明して欲しいものです。それ
が出来れば、目標であるベスト８は可能でしょう。本当に優勝を狙う位の高い意
識を持って欲しいものです。

　ジーコ監督はトルシエ前監督と違う組織論です。前監督はシステムありきの発
想で組織から個を考えると言う発想です。ジーコ監督は個の主体性に立脚した組
織論で、個に権限を委ねています。就任から数年前まで解任論までありましたが、
ようやく個のレベルも上がり、技術や判断力も確実に以前よりも向上したのでし
ょう。やっとジーコのイメージに合うようなチームになってきました。ジーコの
組織論は個がある程度技能的に自立していないと成り立たない組織論です。トル
シエの組織論はまず組織・システムありきなので、きちんと理解していれば、個
としては卓越していなくてもある程度は機能するという考え方です。

　４、５年前は技術レベルがまだまだでしたので、トルシエの組織論、このとこ
ろの日本代表は技術レベルも格段に向上したので、ジーコの組織論が機能してい
るのではないでしょうか？

　ビジネスの世界でも、同じことが言えます。未成熟の組織ではやはり統制第一
の考え方が適合します。個々のスキルレベルがかなりのレベルに上がった時点で
始めて個を主体とする組織論が適合することになりましょう。卓越した技術を持
つプレイヤーが奏でるボール回しなど、流れが美しいもので、まさに芸術（アー
ト）という領域です。

　サイエンスとアートの違いは再現性の知と一回性の知と言えます。ビジネスで
もあの仕事は芸術であると呼ばれたいですね。絶対的な価値を持つもので、唯一
無二のものです。感動ものです。そこまではいかなくとも、一味違うという評価
でも大変嬉しいものですね。僕も”一味違う”というお褒めの言葉をいただく様
に日々精進しております。　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　了。

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