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No.120 2005年7月18日号
市場価値測定研究所
藤田 聰
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ジャック・ニクラウス選手と人間力
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昨夜遅く、全英オープンゴルフを観ました。解説が戸張捷さん、コメンテイタ
ーがプロゴルファーの青木功さんで、恒例のテレビ番組となっています。日本で
は、このところ、丸山茂樹選手が健闘することが多い大会で、僕も興味深く観て
います。しかしながら、今年は予選通過出来ませんでした。今年は2日目まで終
了した時点で、PGAランキング1位で本命のタイガーウッズ選手が首位で大会
記録を上回りそうなスコアで、首位をキープしています。
さて、今回のもう一つの目玉はジャック・ニクラウス選手の引退です。この大
会を最後に引退されるとのことです。ニクラウス選手はこの全英オープン3回を
含め、メジャーと言われる4大大会で、19回の優勝を記録しています。ゴルフ
の帝王と呼ばれていた20世紀において、世界最高の選手と言えるでしょう。
残念ながら、予選通過はなりませんでしたが、最後の2ホールは観客が総立ち
で拍手をされていて、あたかも優勝する選手を迎える最終日の18番ホールの光
景のようでした。今までゴルフを観賞してきましたが、あのような光景は見たこ
とがありません。感動的で鳥肌が立つ程でした。
一緒にラウンドしたのが新・帝王と呼ばれたトム・ワトソン選手で感動を一層
盛り上げる巡りあわせでした。ニクラウス選手は65歳ですが、最も活躍された
のは70年代でしょう。今から30年も前になります。80年代前半でしたでし
ょうか?先の青木選手とのメジャー大会での死闘は語り草になっているほどです。
ニクラウス選手は完璧主義者のようで、ゴルフに関しては徹底的な拘りを持っ
て取り組まれた結果、世界最高の選手に上り詰めたのでした。それまでトップに
君臨されていたアーノルド・パーマー選手から世代交代され、当初はかなり尖っ
ていて、強いのだが、人気という面ではまだまだだったそうです。
年齢とともに、人間的にも円熟され、誰もが尊敬する国民的英雄の座を獲得さ
れたのでした。奥様、子供たちも映像に出てきましたが、何か、アメリカの幸せ
な家族の象徴モデルのように映りました。ニクラウス選手からは、”人間力”と
いうことが想起されました。
丁度、ここにある専門誌に”人間力”が特集されていましたが、或る学者曰く、
ビジネスマンという前提に立てば、専門性と組織内能力を調和的に兼ね備えるこ
とが重要であるとのことです。高い専門性を持った方は転職市場にも有利に雇用
されるでしょう。組織内能力とは会社の人脈や不文律、社風に通じており、どう
いう段取りを組めば、仕事が出来るかを知っていることです。生え抜きの社員の
方が転職されて間もない社員の方よいも、当然長じていますね。
このところ、「人間力」なる単語をよく耳にします。結局のところ、ここに行
き着くということでしょうか?何とも漠然としており、掴みにくいものですが、
ある一面のみを取り出したものではなく、統合的なものとして、イメージするも
ののように思います。それには、心・技・体−それぞれの能力が有機的に調和し
た総合力−技能や人柄等を含んだ概念と捉えることが宜しいかと思います。
了。
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