━━　Management Today ＝ 市場価値を高めるヒント ＝ ━━━━━━━━━━
                                                  No.129 2005年12月5日号
                                                      市場価値測定研究所
                                                                藤田　聰
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              　　　　　　　戦略性と偶然性
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　昨日は今年で５年目になりますが、就職活動を行う学生に対し、セミナーを行
いました。毎年選抜試験を受け、２０名限定で行っているのですが、就職活動は
もとより、そこで知りあった仲間との交流に価値があるようです。体験談をお願
いしている学生（昨日は三井物産、リクルート、博報堂内定の３名）に、１年ぶ
りに会いますと、なかなか成長の跡が見られ、遣り甲斐を感じます。

　彼らにはキャリア形成の中の第１歩として、就職活動を捉えるように教授して
おります。そのためには、まず自分自身を徹底的に知ること。価値観、拘り、譲
れないもの・・・、これらを”パーソナルバリュー”と呼んでいます。

　次に、このバリューに基づき、１０年後→５年後→３年後の未来像を明確化し
ていきます。ジャンプすれば手が届きそうな地点にゴール設定し（これをストレ
ッチプランといいます。）、自己のイメージを創り上げていきます。これらを”
パーソナルビジョン”といいます。

　最後に、そのビジョンを実現すべく具体的な行動計画を描きます。当然、ビジ
ョンが具体的に描けていないと、アクションプランは策定できません。よって、
この”パーソナルストラテジー（戦略）”とビジョンは不可分離といえます。

　以上、バリュー・ビジョン・ストラテジーの３要素はこれからのビジネスパー
ソンが自立するための前提条件といえます。ビジネスパーソンの”新・三種の神
器”と呼んでいます。

　このように戦略性を持ってキャリアを開発することは重要ですが、描いた道筋
通りにはなかなかいかないものです。例えば、突然の辞令が下り、転勤や配転に
なることはよくあります。また、体調を崩し、長期の入院や療養が必要になる等、
予期せぬ出来事が起こり得ます。

　また、何らかの出会い（人、書物等）があり、大きな影響を受け、キャリアチ
ェンジされるということもあります。つまり、生きていく中で色々な出来事や出
会い、その他の予期せぬことからキャリアを形成するという考え方があります。

　そのような偶然性を考えると、あまりきちんとしたキャリアプランは無意味だ
という考え方もあります。しかしながら、個人的な体験から見ますと、戦略性は
必要です。例えば、自分が１０年前描いたビジョンを１０年後に見てみると、結
構実現出来ているものです。但し、偶然性に対応出来るしなやかさや柔軟性は重
要でしょう。

　何らかのイベント、”節目”に当たった時に、策定したビジョンを確認する作
業は必要であろうかと思います。よって、僕のキャリア論は、戦略性と偶然性か
ら成り立つと言えそうです。

　１２月になりました。そろそろ来年のことを考えないと。。。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
                                                                      了。

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