━━　Management Today ＝ 市場価値を高めるヒント ＝ ━━━━━━━━━━
                                                 No.130 2005年12月19日号
                                                      市場価値測定研究所
                                                                藤田　聰
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

------------------------------------------------------------------------
              　　　　　京都での塾生徒殺害事件を想う
------------------------------------------------------------------------
 　
　このところ、寒い日が続きますね。今朝、テニスをしましたが、あまりの寒さ
にダウンジャケットを着たままやってしまいました。寒暖差が大きく、体調のコ
ントロールが難しいため、巷では風邪が流行っているようです。どうぞご自愛下
さい。

　さて、このところ、嫌な事件が多いですね。子供の殺人事件が多いように感じ
ます。記憶に新しいところでは、京都で小学６年生の女児が殺害されました。容
疑者は通っている塾の先生で、白昼の惨事、大きなショックを受けました。

　塾は筆者は大学生時代、アルバイトをしていましたし、塾を経営したこともあ
ります。また、コンサルティングで、大手の学習塾のプロジェクトに関わってお
りましたので、個人的に非常に関心が高いニュースでした。

　こういう惨事が起こりますと、親は学習塾に対して不信感を持たれることがあ
ろうかと存じます。経営する側にとっては、今後真剣に考えていかなくてはなら
ない問題でしょう。

　３年前になりますが、プロジェクトの仕事で、塾の先生で所謂、高業績者（非
常に評判の良い先生と考えて宜しいかと存じます）２０名位にヒアリングする機
会がありました。

　その時の印象から、熱心であることや生徒とのコミュニケーションを大切にし
ている先生であれば今回のようなことは起こり得なかったかと思います。今回は
容疑者が前歴があったようで、性格的にややエキセントリックなところがあった
との報道でした。

　僕の経験上、子供の評価こそ実はシビアで、ダメと判断した場合は授業がうま
く治まらなくなってしまいます。最初が肝心で、フレンドリーな中にも、きちん
と先生と生徒という一線を明確化する必要があろうかと思います。本来的には縦
の関係より、フラットな横の関係が良いかと思いますが、ある一定レベルに達す
るまでは賛成出来ません。それこそ、一歩間違えれば、学級崩壊のようなことが
起こり得ます。

　経営の視点から見れば、講師の採用を再考する必要があるでしょう。履歴書の
徹底チェック、適性検査の実施、面接の多層化等、きちんとプロセス化すべきで
しょう。今回のようなことが起こると、生徒離れは避けられず、大きなダメージ
を受けるでしょう。

　少子化に伴い、マス教育から個別指導の流れを考えると、１対１という関係や
親密度がより大きくなります。よって、講師の倫理観やモラルということもこれ
まで以上、チェックする必要があろうかと思います。結局のところ、実質的に子
供が講師を選択するということが実現出来れば、今回のような惨事はなくなる方
向へ進むと考えております。講師にとってはよりシビアですね。。。

　早いもので、今回が今年の最終号です。やや暗い話題となりましたが、来年は
読者のみなさんにとって、良い年になりますように。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　了。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━